宇比地邇神(うひぢにのかみ)と須比智邇神(すひぢにのかみ)とは【神世七世】

祭神

今回は最初の男女神である宇比地邇神と須比智邇神について解説していきます。

この記事はこのような方にオススメの記事となっています。

  • 宇比地邇神と須比智邇神について詳しく知りたい!
  • 神世七世の神々について個別に知りたい!
  • 祀っている神社を知りたい!

これから宇比地邇神と須比智邇神について解説していきますが、その前に『古事記』から宇比地邇神や須比智邇神などの神世七世について書かれたところを紹介します。

次成ツギナリマシカミミナハ國之常立神クニノトコタチノカミツギニ豊雲野神トヨクモヌノカミ此二柱神コノフタハシラノカミ獨神成坐而ヒトリガミナリマシテ隠身カクリミニマス也。

次成ツギナリマシカミミナハ宇比地迩神ウヒヂニノカミツギニ妹洦比智迩神イモスヒヂニノカミツギニ角杙神ツヌグヒノカミツギニ妹活杙神イモイクグヒノカミツギニ意富斗能地神オホトノヂノカミツギニ妹大斗弁神イモオホトノベノカミツギニ於母陀流神オモダルノカミツギニ妹阿夜訶志古泥神イモアヤカシコネノカミツギニ伊邪那岐神イザナギノカミツギニ伊邪那美神イザナミノカミ

上件自カミノクダリヨリ國之常立神クニノトコタチノカミ以下シモ伊邪那美神イザナミノカミ以前マデアハセテマヲス神世七代カミヨナナヨト

国史大系(7)より

今回の記事はこちらの文章や『日本書紀』を参考にして書かれています。

宇比地邇神と須比智邇神について

宇比地邇神は男神、須比智邇神は女神とされ2神は対となる神です。

そのため、名前や神格に多くの共通点があります。

宇比地邇神と須比智邇神はともに泥や土、砂を司る神とされています。

その理由についてこれから解説していきます。

『日本書紀』第二段本書と第三段一書には宇比地邇神のことを「埿土煑尊」、須比智邇神のことを「沙土煑尊」と書かれています。

この2つの読みは訓注で「埿土」を「于毘尼(うひぢ)」、「沙土」を「須毘尼(すひぢ)」とあります。

第二段本書では2神の別名として「埿土根尊」「沙土根尊」と書かれています。

名前にある「宇」と「須」は対になっています。

意味としては『日本書紀』における「埿」と「沙」から泥と砂を意味するとされています。

「比地」及び「比智」は『日本書紀』からそのまま土を意味するとされていますが、これには土の総称とする意見と泥を意味するという意見に分かれます。

「邇」は土を意味するといった意見もありますが、「比地」「比智」と意味が重複してしまうため『日本書紀』第二段本書で書かれている別名の「根」から親愛を意味する接尾語とされています。

よって、宇比地邇神は「最初の泥土の男神」であり、須比智邇神は「砂と泥土を司る女神」であるというわけです。

『古事記』では宇比地邇神には「上」、須比智邇神には「去」といったアクセントを示す声注がそれぞれ「邇」の後に付けられています。

ちなみに「上」は音を上げる、「去」は音を下げるという意味になります。

この2神に付けられた声注は発音のアクセントを示すことによって意味の理解を助ける働きがあります。

よって「邇」は親愛を意味すると共に宇比地邇神の「上」は男神のことを、須比智邇神の「去」は女神のことを表しています。

意義について

ここでは宇比地邇神と須比智邇神の存在意義や「神世七世」について解説していきます。

神世七世の意義

まず初めに宇比地邇神と須比智邇神も入っている「神世七世」について解説します。

神世七世とは『古事記』における国之常立神から伊邪那岐神、伊邪那美神までの12柱7代の神を表した総称です。

最初の2代(国之常立神、豊雲野神)は獨神のため1柱1代とし、宇比地邇神と須比智邇神からは男女神2柱を1代として数え合計12柱7代を神世七世と呼びます。

国之常立神と豊雲野神についてはこちらをご覧ください。

国之常立神(くみのとこたちのかみ)とは【神世七代】

豊雲野神(とよくもぬのかみ)とは【神世七世】

神世七世の存在意義としては伊邪那岐神と伊邪那美神の誕生をゴールとして、そこまでの過程を神々の生成によって発展的に表現したものと捉える解釈が多いです。

その過程の意味としては

  1. 国土の形成を表す説
  2. 地上の始まりを担う男女神の神体の完成を表す説
  3. 地上における人類の生活の始原を表す説

などがあります。

この過程における宇比地邇神と須比智邇神の意義については次で解説します。

宇比地邇神と須比智邇神の意義

上記にもあるように宇比地邇神と須比智邇神は共に土砂にまつわる神とされています。

また、この2神は男女神の始まりともされ、その意義に関しては神世七世の解釈によって変わってきます。

  1. の場合、国之常立神で大地の形成、豊雲野神で原野の形成を受けて2神の誕生は人類が生きられる土砂の形成を表していると解釈されます。
  2. の場合、混沌の中から男女神それぞれの元となる神(宇比地邇神と須比智邇神)を取り、その後生まれる神の形を完全なものとするための生成材料(泥と砂)の神としています。
  3. の場合は特にありません。

宇比地邇神と須比智邇神には「家や集落の守護神である盛り塩の類を神格化した説」や「土地を鎮めるための男女一対の盛り土を神格化した説」などがあります。

宇比地邇神と須比智邇神の解説は以上になります。

最後に宇比地邇神と須比智邇神を始め神世七世を祀る神社を紹介して終わりにします。

神社紹介

熊野速玉大社

住所→〒647-0081 和歌山県新宮市新宮1番地

公式HP→https://kumanohayatama.jp/

宮浦宮

住所→〒899-4501 鹿児島県霧島市福山町福山2437

公式HP→https://www.kagojinjacho.or.jp/shrine-search/area-airaisa/%E9%9C%A7%E5%B3%B6%E5%B8%82/1247/

沙田神社

住所→〒390-0852 長野県松本市島立3316

公式HP→不明

さいごに

いかがだったでしょうか?

宇比地邇神と須比智邇神についてだいぶ理解出来たのではないでしょうか。

当サイトではこのような記事の他に御朱印についての記事もあるのでそちらも覗いてみてください。

今回は以上です。

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最後までご覧いただきありがとうございました!

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