突然ですが、参拝に行った時に「なぜ二礼に拍手一礼をするんだろう?」と思ったことはありませんか?
全国ほとんどの神社では参拝するときに「二礼二拍手一礼」をします。
この動作一つ一つにはちゃんとした理由があります。
この記事はそんな疑問を持った人に向けて歴史や考え方などが書かれています。
最後には「二礼二拍手一礼」ではない神社も紹介しているので是非最後までご覧ください。
全体の流れ

普段やっている「二礼二拍手一礼」ですが、流れ作業的にやっていませんか?
「二礼二拍手一礼」とは神様を讃える動作で、一つ一つ心を込めて丁寧に行ってください。
歴史などの前に「二礼二拍手一礼」の流れについて説明します。
お賽銭を入れる
まずはお賽銭箱にお賽銭を入れます。
多くの人が投げて入れがちですが、あまり良くありません。
お賽銭はお賽銭箱にそっと静かに入れましょう。
二礼をする
神様への敬意と感謝を表す二礼をします。
鐘がある場合は鐘を鳴らしてから二礼をします。
腰の角度は90度を目安に行いましょう。
二拍手をする
次に拍手を二回行います。
拍手をするときには両手を合わせないように右手を少し引いて拍手をしましょう。
これには神様より一歩下がることを意味し、敬い讃える心を表しているそうです。
また、拍手自体にも敬い拝む、和合という意味があります。
感謝をする
これはよく言われていますが、ここでは神様に日頃の感謝をしましょう。
名前と住所も一緒に思うと良いとも言われています。
一礼をする
最後に90度の一礼をして終了です。
「二礼二拍手一礼」は知っていても意味まで知っている人は多くありません。
意味を知ってやるのと知らないでやるのとでは大きく違います。
多くの神社ではこの「二礼二拍手一礼」ですが、四拍手や八拍手をするところもあります。
これらの例外については後ほど説明します。
次にこの「二礼二拍手一礼」がどのように始まりどうやってこの形になったのか説明します。
「二礼二拍手一礼」の始まりから現在に至るまで
「二礼二拍手一礼」の始まりは明治8年(1875年)に式部寮から頒布された「神社祭式」(官国幣社の祈年祭に関する事項を定めたもの)に「再拝拍手」と記されたところにあります。
ただ当時の人々は、どのタイミングで「再拝拍手」を行うのか具体的なことがわからない曖昧な状態でした。
そんな中、当時内務卿を務めていた伊藤博文から

「一揖、再拝、二拍手、一揖」が正式な作法である
と語られたことから、当時は「一揖(浅い礼)、再拝、二拍手、一揖」が正しい作法として広まっていきました。
明治15年(1882年)には古典(国典)研究および神官養成を目的とした「皇典講究所」が設立されました。
そこでは「再拝、祝詞奏上、再拝、二拍手、一拝」が正しい作法として指導され、行事などで実施されていたため世間にもこちらが正しい作法として広まりました。
明治40年(1907年)に「神社祭式行事作法」が制定され、今度は「再拝、二拍手、押し合せ、祝詞奏上、押し合せ、二拍手、再拝」という形式が定義されました。
その後、考え方の変化や式を円滑化などの目的があり「神社祭式行事作法」の改訂が何度かありました。
昭和23年(1948年)に改訂された段階で「二礼二拍一礼」が正式な拝礼作法となったようです。
例外

基本的には「二礼二拍一礼」が正しい作法ですが、全国全ての神社がこの作法で行われているわけではありません。
神社独自に考えられた神様への敬意を深く示せる作法を実施しているところがあるのでいくつか紹介します。
伊勢神宮
始めに日本一格式の高い神社である伊勢神宮です。
伊勢神宮では神事を行う際に神職が「八度拝八開手」で行うことがあります。
「八度拝八開手」とは4拍手を2回行う参拝方法です。
この作法を行うのは神職のみで、一般の参拝者はこれを行う必要はありません。
参拝者は基本的な「二礼二拍一礼」で問題ありません。
出雲大社
出雲大社では「二礼四拝一礼」が正しい作法です。
正式には「二礼八拝一礼」ですが、これは年に一度行われる例祭でしか行われません。
出雲大社公式HPにはこう書かれています。
一般的には「2礼2拍手1礼」ですが、出雲大社の正式な参拝作法は「2礼4拍手1礼」となります。ご本殿以外のご社殿をお参りの際にも、この作法にてご参拝下さい。 4拍手をする理由ですが、当社で最も大きな祭典は5月14日の例祭(勅祭)で、この時には8拍手をいたします。数字の「8」は古くより無限の数を意味する数字で、8拍手は神様に対し限りない拍手をもってお讃えする作法です。ただし、8拍手は年に1度の例祭(勅祭)の時のみの作法としています。平素、日常的には半分の4拍手で神様をお讃えする4拍手の作法としていますが、お祈りお讃えするお心に差はありません。
公式HP「よくあるご質問」より
また、大分県の宇佐神宮や新潟県の弥彦神社も「二礼四拝一礼」を正しい作法としています。
さいごに
今回は一般的な参拝作法である「二礼二拍手一礼」についてまとめました。
今まで当たり前にやってきたことでもちゃんとした理由がわかったと思います。
全体の流れで書いてある内容が他と違う可能性はありますが、今回紹介した内容は諸説あるなかの一つだとご理解ください。
今回は以上です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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